あなたの目の前に大手企業で働いていた。輝かしい実績を持っている。など優秀な人材が現れたとき、心が躍りますよね。「この人なら我が社にとって救世主になってくれるはずだ!」とワクワクしますよね。でもね、
そんな甘くはない。
何度も聞いてきました。多くの経営者たちが「優秀な人材だと思ったのに、全然使えない」という苦い経験を語るのを。
最初は輝かしい経歴に惹かれたものの、実際に働き始めると、
- 人間関係がうまくいかない
- 期待したほどの成果が出ない
- 時には元々の社員よりも能力が低かったり
- こだわりが強すぎて会社の文化に馴染めない
などなどこういった問題が発生しているようです。
「経歴だけで飛びつかんかったらよかった…」と後悔する経営者たちの言葉は、重く心に響きます。高い採用コストをかけたのに、結果は逆効果。しかも、一度採用したら簡単にやめさせることもできず、ため息が出ます。
前職では活躍していたかもしれません。でも優秀すぎる人材を採用する前に、一度冷静になって考えてください。
「本当に御社でも同じように活躍できるでしょうか?」
「その人材を活かせる環境や体制は整っていますか?」
「今、本当にその人材が必要ですか?」
「その人材を使って何を目標に、どのような成果を上げてほしいのかを具体的に考えていますか?」
中小企業では、一人一人の従業員が会社に与える影響は計り知れません。安易に決定した一人の不適切な採用が、会社の体制を乱し、チームワークや士気を低下させ、会社全体の運営に支障をきたすこともあります。
しかも、こちらから辞めさせることも難しく、かき乱した挙句に「合わなかったから転職します」となんてない顔で去っていくことも。
だからこそ、中小企業の経営者や人事担当者の皆さん、優秀すぎる人材の採用には慎重になりましょう。輝かしい経歴に惑わされず、本当に御社で活躍させてあげれる人材かどうかを冷静に見極めましょう。
優秀すぎる中途採用者に期待しすぎるのはNG!冷静に考えよう
今までにない人材が御社で採用できるかも!となったら期待いちゃいますよね。しかし採用するな!とまでは言いませんが、せっかく中途採用した優秀すぎる人材が実は御社でポンコツだったとならないように一回冷静になって考えましょう。
一例をご紹介しますが、優秀な人が中小企業で中途採用された時のあるあるになります。よく聞く話なので、御社がその状況に置かれているのであれば絶対に見ていただきたいです!
大手と中小で働く役割の違い
大手企業と中小企業。この二つの世界は、同じ「ビジネス」という舞台に立ちながらも、その構造も求めるものも異なるかも。優秀さの定義さえも、この二つの世界では違うこともあるんです。それは
スペシャリストとジェネラリスト
必ずしも大手企業がスペシャリストを求め、中小企業がジェネラリストを求めるというわけではありません。ただし、傾向としてそのように見えることが多いです。
例えば、大手企業ではマーケティング部門が細分化され、SEO担当、SNSマーケティング担当、データアナリストなど、各分野のスペシャリストが活躍します。
一方、小さな中小企業ではどうでしょうか?「マーケティング担当」になることが多いかと思います。そしてマーケティング担当でも他の従業員が行っている業務もこなさなければならないこともあります。
このように、中小企業が求めるのは、広範な知識と柔軟性を持つジェネラリストという傾向が多いんですね。この違いを理解していないと、「え?なんでこんなことも知らないの?」ということが起こります。
だからこそ、優秀すぎる人が応募してきたときは、一度冷静に考えてみましょう。キラキラした履歴書に目を奪われる前に、その実力が本当に御社の環境で活かせるのかを見極める必要があります。
本当に必要なのは、さまざまな業務を柔軟にこなし、企業の成長を支えるジェネラリストではありませんか?。
優秀すぎる中途採用者がポンコツになる?綿密な計画はありますか?
大手企業での実績を見て「この人ならすぐに成果を出してくれるだろう」と期待してしまうのはわかりますし、期待はしていいです。でも御社で、こんな状況はありませんか?
「とりあえずやってみて?」
大手企業では、新入社員に対する育成プログラムやマニュアルが整っていて、新しい社員がスムーズに業務に適応できるよう、段階的に指導する仕組みがあります。また上司や部下のサポートがあったからこそ活躍で来ていたのかもしれませんし、その会社の環境だから活躍で来ていたのかも。
御社ではどうでしょうか?…例え他社で輝かしい実績を持っていたとしても、自社で同じように活躍できるとは限りません。他社と自社は文化、規模、運営方法、目指すべきゴールが違うと思いませんか?
だからこそ、採用時にはその人材が自社の環境で成果を上げられるかどうかをしっかり見極め、計画を立てる必要があります。
その中途採用者に求めるもの
役割・目標・成果・育成を時間軸と数値で具体的に計画を立てていますか?
ただ「優秀な人材」を求めるだけでは、採用後に現実とのギャップに悩むことになるでしょう。「なぜ思った通りにいかないのか?」ということになるかも。
優秀すぎる中途採用者は扱いづらいかも?
「これで会社が成長するぞ!」
しかし、現実はそんなに甘くありません。優秀すぎる中途採用者が入社すると、思わぬ悩みが待ち受けていることも。
既存のやり方に不満を感じ、中小企業独自のルールや文化に戸惑い、自分の成功体験にこだわることがあるのです。新しい人材は、救世主であると同時に、手強い挑戦者でもあるかもしれません。
中小企業のルールと文化
中小企業には、その企業特有の「独自ルール」が多く存在します。御社にもありませんか?明文化されていない暗黙のルール。
一方、大手企業では、業務は規則やマニュアルに基づいて体系的に進められます。多くが明文化され、誰が何をすべきかが明確でもあります。
しかし、多くの中小企業は、規則に書かれていない暗黙のルールや文化が多く存在します。これらは、長年の経験や習慣に基づいて形成されたものであり素晴らしい独自のものですが、外部から来た人には意外と理解しがたいものがあったりします。
効率を問題視するかも
OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)やマニュアル・規則などもそうですが、大手企業はシステム化されていることが多いです。そういった中で中小企業の何でも柔軟に取り組む姿勢というのは時に摩擦を生みます。
「前の会社のやり方はこうだった」
「なぜこんな効率の悪いやり方をしているのか…」
そんな言葉が飛び出します。新たに採用した優秀な人材が、中小企業の現場での柔軟な対応に戸惑いや不満を感じ反発することがあるのです。
もしかしたら本人に問題があるかも。なぜ中小企業なのか?
なぜその優秀な人材が大手企業から中小企業に移ってきたのでしょうか。大手でのキャリアを捨ててまで中小企業を選んだのには、何かしらの理由があるはずです。
その理由を考えてみると、必ずしもポジティブなものばかりではないかも。
例えば、大手企業でトラブルを起こしたり、適応できなかったりしたために、中小企業への転職を余儀なくされたというネガティブな理由も考えられます。
ポジティブな変化を求めての転職なら歓迎ですが、問題を抱えたままの転職は、新たな問題を引き起こす可能性もあるのです。
ではどうすればいいのか:対策
ここまでは一例をご紹介しました。このような摩擦が退職という結果になることもあります。職場をかき乱した後、嵐のように去っていくこともあります。ではどうすればいいのでしょうか。
役割やルールを明確にする
まず、新しい人材を迎え入れる際には、その役割や会社のルールを明確に伝えることが大切です。具体的には、どのような業務を担当し、どのような成果を求められるのかをはっきりと示します。
また、中小企業には独自のルールや文化があります。これらを事前に理解させることで、新しい人材がスムーズに適応できるようにします。曖昧な期待や役割のズレが後々のトラブルを生む原因となるため、ここは慎重に進めましょう。
人間性を重視して採用する
採用の際には、その人材の人間性に重点を置くことが重要です。優秀なスキルを持つ人材でも、チームとの協調性が欠けていると、その能力を十分に発揮できないことがあります。したがって、採用基準として考えてほしいのが
「人間性8・スキル2」
の割合で評価することをお勧めします。具体的には、コミュニケーション能力や柔軟性、チームワークの意識を重視し、その上で必要なスキルを持っているかを確認します。
中小企業では、一人ひとりの従業員が会社全体に与える影響が非常に大きいです。そのため、採用する際には特に慎重になる必要があります。
もし不適切な人材を採用してしまうと、その一人のパフォーマンスや態度が会社全体の業績に大きな影響を与え、最悪の場合、会社の業績が大きく低下することも考えられます。特に中小企業は
採用してはいけない人を採用しない
ことがめちゃめちゃ大事です。優秀すぎる人が中途採用で応募してきても一度冷静になって考えてみてください。
なんだか採用はダメ!というような書き方になってしまってますが、御社で活躍できる体制や人材であれば絶対採用した方がいいですよ!